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コウノトリ

2021-04-17

野生のコウノトリが日本で最後まで残っていたのが城崎温泉のある豊岡市です。1971年に絶滅しましたが、それ以前の1965年からずっと飼育下で保護増殖の努力が続けられてきました。放鳥までに約40年の歳月を費やしました。

ハチゴロウ

むかし、といっても平成のお話ですが、このあたりにはそれは大きく立派な野生のコウノトリがいました。彼の名前はハチゴロウといいました。ハチゴロウは2002年の夏、大陸から海を越えて長い長い距離を飛んで城崎へやってきました。8月5日にやってきたので彼は「ハチゴロウ」と名付けられました。ハチゴロウの優雅に空を舞う美しい姿に人々はあっという間に魅了されていきました。

豊岡市の取り組み

当時、豊岡市はコウノトリの野生化について試行錯誤しているところでした。飼育のコウノトリを自然界に帰すことを決めたものの、果たして今日の自然や社会の環境下で生きていけるのだろうか、人間はどう付き合ったらいいのだろうと、未知の領域に足を踏み入れる不安に関係者は戸惑うばかりでした。ハチゴロウが戸島に舞い降りたのはちょうどそのころだったのです。人々はハチゴロウが田んぼに入る姿をみて餌の採り方を教わり、学校の上を舞い、電柱に止まる姿を見て人間との距離の保ち方を知りました。ハチゴロウからたくさんの情報をもらいながら2005年9月、試験放鳥が開始されました。最初5個体だったリリースは2020年までに計74個体行われました。関係者の地道な努力の甲斐あって2007年には国内の野外では初となるヒナが巣立ち、以降は毎年野外繁殖が成功しています。今では野外コウノトリは200羽を超えていてここ但馬地方のみならず日本各地で見かける機会が増えてきています。

コウノトリの郷公園(HPより引用)

兵庫県立コウノトリの郷公園は、国の特別天然記念物コウノトリを保護増殖し、科学の理論に基づいて野生復帰を実践する研究機関として1999年に開園しました。また、この目的を果たすため、県立大学の教員が研究員を兼ねるシステムを開園当時から採用しており、コウノトリと共生していくためにマルチプルな施設となっています。兵庫県のコウノトリ保護事業の歴史は、1955年の特別天然記念物コウノトリ保護協賛会の発足や、1965年のコウノトリ飼育場における飼育の開始に遡ることができ、すでに半世紀以上に及んでいます。園内の公開エリアでは、飼育コウノトリを観察できるだけでなく、湿地と里山景観の中をゆっくり散策することができます。また、野外で生息・繁殖しているコウノトリに出会うこともできます。 一方で、園内奥にある非公開エリアには多数のケージが設置され、コウノトリの飼育・繁殖、放鳥のための馴化訓練等を日々行っています。また敷地内には、2014年に大学院(兵庫県立大学地域資源マネジメント研究科)が豊岡ジオ・コウノトリキャンパスとして設置され、地域に歴史を有する自然・社会・文化資源の発掘と活用による保全、をテーマとする教育と研究を行っています。単なるコウノトリを見学する公園ではない、コウノトリの野生復帰事業とコウノトリを核にした様々な活動を展開する施設、それがコウノトリの郷公園なのです。散策するのにもとても気持ちの良い公園です。お車でお越しの方はぜひ行ってみてください。

ハチゴロウの戸島湿地(HPより引用)

ハチゴロウが好んで生活していた豊岡市立ハチゴロウの戸島湿地は、日本海まで3キロの円山川河口近くに位置しています。そしてその一部を城崎温泉ロープウェイの山頂から見ることができます。周辺は山に挟まれた低湿な田んぼや畑、集落で、一帯が氾濫原の名残を今に残す汽水域です。
面積は、施設全体で3.8ha、うち淡水湿地が2.5ha(地盤高は海抜25cm)、汽水湿地が0.7ha(地盤高・海抜20cm)。周辺の里山、小川、田んぼ、河川、海と有機的につながることで、湿地の生態系を高めています。山際にはコウノトリの人工巣塔が建っており、いつでもそこにいるコウノトリをみることができます。コウノトリの夫婦が2008年から毎年ヒナを育てて巣立ちさせていますので、繁殖の時期になる鉄塔の巣に餌を待つヒナや羽ばたく練習をする子どもたちを観察することができ人気のスポットとなっています。ここはハチゴロウが長くすごしたため埋め立て寸前であった個人の所有地を豊岡市が買い取り、一度は絶滅したコウノトリの野生復帰のためこの湿地や周りの水田など広範囲にわたって豊かな生態系の再生を目指す取り組みがおこなわれている場所です。これが世界に認められ、「円山川下流域・周辺水田」は、様々な国が協力して水辺の自然を守っていくためのラムサール条約に登録されました。ハチゴロウが愛したこの場所はきっとなにかを感じることができる場所。知ることは何かがはじまる第一歩です。ハチゴロウの戸島湿地にコウノトリを見に行きませんか?

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